中谷直登のブログ

イピカイエー

デスストランディングの性善説

メタルギアソリッドの2と3は当時夢中でやったな。

話題のデスストランディングは発売日から少しずつプレイしていて、今はマップ上でいうと半分地点くらい。このゲームが今の時代に生まれたのがとても興味深いと思う。

 

デスストランディングはどういうゲームなのか。まだ全クリしてないからあれなんだけど、ストーリー上はアメリカ合衆国がなくなってしまった後、北米大陸の各地の孤立都市を主人公が足で繋いでいくというものになっていて、「つながりこそが重要だ」的なメッセージがある。トランプ政権が生まれたのは2017年だけど、デスストは2016年時点でティーザー映像が出ている。ストーリーはどういう影響と狙いがあったのかは知りたいところだ。

 

で、ゲーム内容は「広大な土地をひたすら荷物背負って走る」という、良くも悪くもそれだけだ。各ポイントで荷物配達の仕事を「受注」して、ポイント先に「納品」する。その道中ではBTと呼ばれるハリーポッターのディメンターみたいなのが彷徨うこともあり、ここはメタルギアよろしくステルス突破する必要がある。それから人の荷物を狙って襲ってくる集団にも遭遇するが、一人ずつ戦えばあまり脅威にはならない。ので、ゲーム的にはほとんどが荷物を背負って移動する場面になる。

 

しかしユニークなのは、フィールドに他プレイヤーの痕跡が残ることだ。オンラインの他プレイヤーは、同じフィールドには現れないけど、彼らが移動のために使った梯子やロープが自分のフィールドにも残されて、使えたりする。足跡も見えたりする。

基本的に広大なフィールドを一人で走るだけの孤独なゲームなので、「みんなもこの崖を登ったんだ」みたいな痕跡を見ることができて楽しい。

これは登山の感覚に似ていて、険しい山道の所々につかまるためのロープなんかが張ってあると、「他の人もここを通ったんだな」と、妙な安心感が得られたりする。要はそれをオンラインでやったのがデスストの醍醐味になっている。

 

こういう誰かが残した痕跡(梯子やロープ、その他)にはSNSみたいにいいね!がつけれるようになっていて、みんなが助かる場所にかけられた梯子やロープにはたくさんのいいねが集まっている。また、自分が残した梯子やロープにいいねが集まったりすると、「他の人たちの役に立てたんだ」と少し嬉しくなる。

 

オンラインといえばリアルタイムの戦いや協力を思い浮かべがちだが、小島秀夫監督はこの「ゆるいつながり」の感覚を大事にしたらしく、こんなことを言っている。

 

「間接的に繋がるというコンセプトのゲームですが、僕は遊んでほしいと思っていました。世界は繋がっているのにヘッドショットばかりしていて、それはそれで楽しいんですけど、そこに問いかけをしたわけです。」

 

「「いいね」を例にすると、ポジティブはあってもネガティブな評価がありません。するとスタッフが「なぜネガティブがないんですか? SNSにはあるじゃないですか」と言ってくるわけです。それと、お金やアイテムにならないことも同意してもらえませんでした。またスタッフが「ゲームのプレイヤーは自分が有利にならないことはしませんよ」と言ってきますが、それをやったら普通のゲームなんです。ポジティブというのは無償の愛や! と言って作り始めて、ようやく伝わったのは1年半くらい経ったころでしたね。」

 

ポイントは、このゲームの面白さが性善説に基づいていることだと思う。敵を騙してハメて殺すことが大事じゃないゲーム、見返りが大事じゃないゲーム。ただ間接的にいいね!が貰えたら、それで嬉しいよねというゲーム。Instagramがいいねの数を非表示にしたり、SNSの弊害みたいなのが取り沙汰されやすい今のタイミングで、「いいねって、いいよね」というゆるくポジティブなテーマを掲げて、それを壮大な形でゲームにした勇気とカリスマはすごいなあと思う。小島秀夫監督自身も熱心なSNSユーザーでもあるし。

レビューであれこれ言われてるように人を選ぶゲームだ。ハマらない人にはとことんハマらないと思うけど、今のところ独特の世界観と魅力が受け取れているので、とりあえずストーリーは完走したいと思う。今週末はスターウォーズの新作ゲームも出るから忙しい。